参考資料
同人誌判型比較表
A5とB5を、仕上がり寸法・版面の試作・ページ数・印刷所確認の順で比較し、判型を仮決定するための実務資料です。
FORMAT COMPARISON
何をどう読ませるかから、
本の大きさを選ぶ。
この表では A5 と B5 を、裁断後の仕上がりサイズ、1 ページに載せたい情報、読者が手に取る場面、目標の印刷所で対応できるかという同じ条件で比べます。どの作品にも一つの正解を当てはめるものではありません。
まずは二つの起点から考える
文字を落ち着いて読ませたい。
持ち運びやすさも大事。
小説、文章中心の合同誌、漫画と文章が混ざる本などで、まず実際の版面を組んで比較する起点になります。情報量が足りるかは、予定しているフォント・コマ・余白で必ず確認します。
絵やコマを、もう一段
大きく見せたい。
描き込み、見開き、細かな文字や図版を、完成サイズに近い大きさで確認したいときの起点になります。大きいこと自体を目的にせず、読めるか・収まるかを実物に近い出力で見ます。
上は「よくある検討の始め方」です。漫画は必ず B5、小説は必ず A5 という決まりではありません。
候補を決める前に、二つの実寸と選び方を往復する。
まず比べられる事実
ここでの数値は仕上がりサイズです。塗り足し、内側の余白、表紙の背幅、見開きデータは含みません。
| 比べる項目 | A5 | B5 | 選ぶ前の読み方 |
|---|---|---|---|
| 仕上がりサイズ | 148 × 210 mm | 182 × 257 mm | 裁断後に手元に残る本の大きさ。入稿用キャンバスの寸法ではありません。 |
| 仕上がり面積 | 31,080 mm² | 46,774 mm² | B5 は A5 の約 1.50 倍。同じレイアウトでも、見せられる面積は同じではありません。 |
| ページに置く情報 | 文章の行間、余白、コマ数、図版の判読性を実寸で確認する。 | 描き込み、見開き、細部の文字・図版が実寸で読めるかを確認する。 | 「何を載せるか」を先に置き、サイズはその検証結果で決めます。 |
| 持ち運び・頒布 | 本そのもの、梱包、イベントでの持ち帰り方を想定して確認する。 | 本そのもの、梱包、イベントでの持ち帰り方を想定して確認する。 | 軽さ・かさばり方は、ページ数、紙、製本、部数で変わるため、判型だけで断定しません。 |
| 入稿・製本 | 対応判型、最小・最大ページ数、用紙、綴じ方、テンプレート、料金・締切は対象印刷所の現在の公式案内で確認する。 | この表から入稿サイズや可否を決めないでください。 | |
選び方:5 分で仮決定する手順
この順番なら、判型だけを先に固定して原稿やページ数を無理に合わせるのを避けられます。
- 1
主役を一つだけ決める
今回の本で、まず読ませたいものを一つ選びます。文章の読みやすさ、コマの流れ、絵の細部、図版・表組の判読性などです。目的が混ざる場合も、優先順位は一つ決めます。
- 2
同じ1ページを A5 と B5 で組む
予定している本文、コマ、見出し、余白で、両方の仮レイアウトを作ります。文字数だけ、または画面上の縮小表示だけで決めません。
- 3
完成サイズに近い状態で読む
可能なら 100% に近い倍率で出力し、本文を数ページ、見開きがあるなら見開きも確認します。読めない・窮屈・余白が落ち着かない箇所を具体的に記録します。
- 4
ページ数と製本条件を分けて確認する
本文、扉、目次、奥付、白紙、表紙を分けて数えます。その上で、候補の印刷所・綴じ方が受け付けるページ数とデータ構成を確認します。
- 5
印刷所のテンプレートで最終決定する
判型が決まっても、本文原稿・表紙・背幅・塗り足しのデータは別の確認が必要です。選んだ印刷所の現行テンプレートを取得してから、キャンバスを確定します。
迷ったときの確認マトリクス
当てはまる欄を多くするための採点表ではありません。試作で何を確かめるべきかを見つける表です。
文章中心の本
- 見ること
- 1 行の長さ、行間、段組、ルビ、見出し、余白。
- 最初の比較
- A5 で版面を組み、読みづらい理由が文字サイズか行長か余白かを分けて確認する。
- 次へ
- 文字数・ページ数を見積もる →
漫画・イラスト中心の本
- 見ること
- コマ内の台詞、細部、見開き、余白、読み順。
- 最初の比較
- B5 と A5 の同一ページを並べ、細部を大きくする必要が本当にあるか、ページ構成ごとに確認する。
- 次へ
- 本文と総ページ数を分けて数える →
文章と絵が混ざる本
- 見ること
- 本文ページと図版ページの両方で、読みやすさが崩れないか。
- 最初の比較
- 一番情報量の多いページと、文章量の多いページを両方試し、どちらか一方だけで判断しない。
- 次へ
- ページ数の決め方を見る →
A5 と B5 だけで決まらないとき
小さく読ませる本、正方形の図版本、横長の見開きを作る場合は、A5 と B5 の間で妥協せず、候補の作業条件を個別に確認します。
A6・文庫
小型本で文字の大きさ、安全域、持ち方を試したいとき。
A6 の寸法を確認する →B6・文庫を比べる →新書判
小説の行長、行間、段組とページ数を先に仮組みしたいとき。
新書判の版面を試す →正方形・横長
図版の重心、見開き中央、読む向きと提出単位を先に確認したいとき。
正方形の条件を見る →横長の見開きを確認する →決定前チェックシート
次の八つに答えられれば、判型を仮決定して次の工程へ進めます。